小児科発熱患者様の診察、検査について
当院では、発熱以外の一般の患者様と、新型コロナウイルスを含む発熱患者様は時間で分けず、場所を分けて診察、検査しています。来院された際、車内に待機していただき電話で状態を伺い、診察を院内の隔離室で行うか、車内で行うか、院外に設置しているテントを使用して行うかを決めています。隔離室には発熱以外の患者さんと交わらないよう隔離用入り口から入っていただき、室内滞在も短時間になるように努めています。
小児科・アレルギ-科について
アレルギー科
食物アレルギー、アトピー性皮膚炎、じんましん、湿疹、小児の気管支喘息、アレルギー性鼻炎、花粉症などの診療が中心です。大人の気管支喘息の診療や金属アレルギーや光線過敏症の検査などはやっておりません。
基本的な考え
かゆみや鼻水などのアレルギーの症状を軽くする治療(対症療法)は大切ですが、原因対策もそれにもまして大切です。冷え症や胃腸の弱さなど体質の問題がある場合、漢方が役立つ場合がよくあります。おかれた環境の中で、食事や、睡眠、運動、ストレスへの対処・発散法など日々の生活をもう一度見直していただけるとしめたものです。例えば、寝るのが夜中の12時以降になると自律神経機能が落ちて、アレルギーを悪化させやすくなります。
食事では、基本的には、パンに牛乳、肉の洋食よりは、ごはんに味噌汁に野菜に豆や魚の和食をお勧めしています。皮膚や粘膜の問題には、経皮毒の洗剤にも目を向けて石けん化をお勧めしています。栄養士が常勤で務めていますので、食べることに関しては、いつでも栄養士に相談していただけます。どうぞお気軽にご利用ください。
食物アレルギー
~当院で力を注いでいる領域です~
【診断】
問診、食事日誌、血液検査、皮膚の検査(プリックテスト、プリックプリックテスト)、食物経口負荷テストを行っています。食物アレルギーの診断は血液や皮膚の検査だけではできず、問診、食物経口負荷テストが重要とされています。
【食物経口負荷テスト】2019年は100件/年近く行いましたが2020年以後はコロナの影響もあり少し減少しています。2~3か月に1回、外来で負荷テストを繰り返し、家庭で食べてゆく食品の負荷量を安全に増量してゆく場合もあります。
食物経口負荷試験にはオープン法とブラインド法があり、ブラインド法とは負荷テストを受ける方が、食品の中にアレルゲンが入っているかわからない状態で食べてもらい、極力心理面の影響を避ける方法です。見た目も味も同じような負荷食品入り(A)と入っていないもの(B)を二つ準備し、何回かに分けて(A)か(B)を食べてもらいます。(B)を食べただけでも、「喉が苦しい、イガイガする」と訴えられることがあります。
食べたら症状がでるという恐怖感、心配な気持ちの影響は、想像以上に強い事があるので、ブラインド法が結構役立っています。
★食物経口負荷テストは水曜日以外の平日の午前中に予約で行っています
★夏休みなど、長期休みの予約は早く埋まりやすいので、早めにご予約ください。
★重症の場合、川崎医科大学や倉敷中央病院、国立岡山医療センターなどの病院にご紹介する場合があります。
漢方のこと
乳幼児検診・ワクチン

・通常のワクチンは子宮頸がんワクチン以外全ておこなっています。長く小児科をやっているとワクチンでどれだけ多くの命が救われ、こどもたちが安全に過ごせるようになったかを心の底から実感します。これからの医療は病気の予防に重点があります。必要なワクチンの接種は是非進めていきたいと考えます。
・乳幼児検診は6~7ヵ月、9~10か月、1才、2才児が主な対象ですが、3~4ヵ月や1歳半,3才児なども行っています。
発育・発達、疾患のチェックは最低限、基本に行うものですが、それ以外のささいな疑問や困られている事、できれば愚痴まで聞ける関係になれ、その子の成長を末長く見守ってゆけたらいいなと思います。
矢追インパクト療法
~当院独自の工夫でアレンジしています~
故矢追 博美先生が生み出された一種の免疫療法。花粉症、アレルギー性鼻炎の方を中心に、じんましんや湿疹や元気不足の方にも行っています。
代表的なアレルゲンの精製エキスを薄く希釈して一定の間隔でごく微量、皮内に注射します。苦手な刺激を適度な間隔で体に与えて、免疫を強くするイメージです。

原法の前腕ではなく前頭部の頭皮に注射するとあまり痛くないので最近よく用いています。 杉花粉の時期だけ治療に来られる方も多いですが、前任の病院時代に小学生から始められ2ヵ月に1回、24年間続けられている方がいます。お元気な最長記録者です!
矢追先生の著作本や遺稿集の貸し出しができます。どうぞお声かけください。
舌下免疫療法
花粉の飛ぶ季節になると、「くしゃみ連発、鼻汁だらだら、目もかゆくて」といった患者さんが多くなります。鼻水やくしゃみくらい、と思うなかれ。なってみるとしんどいものですね。単に症状を抑える内服や目薬や点鼻薬の治療とは違って、免疫を高めるアレルギー治療法として、当院では矢追インパクト療法を開院以来行ってきました。効果は明瞭でお勧めなのですが、注射がこわいお子さんや定期的に注射に通えない方には使えませんでした。
そこで、この度、免疫を高める治療法の一つとして舌下免疫療法を開始しました。この治療は舌下から吸収させ、体の中に薄めた原因となるアレルゲンを入れ、抗体を作ることで症状を改善させる治療です。口の中(舌の下)にすぐに溶ける薄くて丸い錠剤をおくだけで、5才くらいのお子さんでも治療できます。初めの1週間のみ抗原量の少ない舌下錠を使い、その後は同じ抗原量の舌下錠の内服を毎日続けます。治療を開始すると、喉がイガイガ、鼻水が出る、口内炎ができるといった副作用が出る場合がありますが、大半の患者さんは2週間から1ヵ月程度で徐々に副作用の症状が消えていきます。初回のみアレルギー症状が出ないか30分院内で経過をみます。
通院間隔は初めは1~2週間後ですが、そのあとは何も問題なければ1か月に1回でも大丈夫です。治療の開始時期は、スギは花粉の飛散時期をさけるため6月~12月からになります。ダニの舌下免疫療法はいつからでも開始できます。対症療法ではないので、即効性はありませんが、数シーズンも待たずに効果が実感できる方が多いようです。
症状にお困りで関心のある方は、小児科・アレルギー科上田(か看護師)にお気軽にお声かけください。
肥満・肥満症

夜尿症
夜尿症のお子さんは抗利尿ホルモン(脳から出て尿量を減らす)の夜間の働きや膀胱の成長が、年齢に比しゆっくり(オクテ)です。したがって年齢が高くなると、自然に良くなることが多いです。しかし、あまりゆっくりだと、学校の泊りの行事が心配だったり、自尊心に影響したり、例は少ないですが病気が隠れていることもまれにはあるので、小学生になっても毎日のように夜尿があり改善傾向がない場合は一度受診されたらよいと思います。
【治療開始前にすることは?】
・生活習慣のチェック
・夜尿症のタイプを推定・・・夜間の尿量測定や朝一番の尿の検査、がまん尿量の測定など
・原因検索・・エコー検査など特別な原因がないかのチェック。
【治療は?】・・・以下を組み合わせて
・抗利尿ホルモンの内服、時に漢方薬内服
(例外的に)膀胱型に対する抗コリン薬の内服
・アラーム療法 抗利尿ホルモン無効でアラーム療法著効例時々あり
・できる範囲で尿をがまんするトレーニングが有効なことも。
・生活習慣の見直しの提案や場合によれば心理面へのアプローチも。
【夜尿症で初めて受診の場合】
・「夜尿問診表」(初診の方は「小児科初診問診表」も)はHPよりダウンロード可能です。
【絵本もあるよ!】 福音館書店 「おねしょの名人」山田 真 & 柳生 弦一郎作
1996年 「福音館のかがくのほん」より ・・・絶版? 貸出しOK。